平成31年4月作成
生命保険を活用した相続対策
生命保険を活用した相続対策をご案内します。
@相続でもめるケース
〜遺産は数百万の預貯金と自宅のみ〜
@父の相続の際に自宅を父から母へと名義変更をした。
A現在、自宅には母と長男が住んでいる。
B母は自宅を長男に相続させたいと希望しているが、二男がこれに納得してくれないことを気にしている。
<図解>
A分ける遺産がない場合は要注意
母の相続の際に小規模宅地の特例等を利用し、自宅の評価を80%減額評価できたとしても、二男の法定相続分は約1800万円相当(3600万円×1/2)であり、遺留分は約900万円と算定できます(※)。そのため、将来、長男のために自宅を確保するなら二男の遺留分対策として約900万程度の資金を準備する必要があります。
(※)母からの生前贈与やその他特別受益、及び母の債務はないものとしています。
(※)母からの生前贈与やその他特別受益、及び母の債務はないものとしています。
B遺言と生命保険の活用で円満な解決を図る
現在ある預貯金等では、遺留分対策としての資金を確保できない場合、次のように「遺言」と「生命保険」をセットで活用することで円満な解決を図る方法があります。
注)個別の事例に関してシミュレーションが必要になります。
注)個別の事例に関してシミュレーションが必要になります。
- 遺言書の作成まず、自宅を長男に相続させる内容の遺言を準備します。これにより、自宅は遺産分割を必要とせず、相続発生後長男に移転します。自宅を長男に相続させることで二男の遺留分を侵害することになる場合に備え、次の生命保険を利用します。
- 生命保険の活用遺言の内容が他の相続人の遺留分を侵害している場合、侵害している範囲において遺言が無効になる場合があります。この場合、侵害部分に相当する代償金を用意できれば、遺留分の問題は解決でき、遺言のとおり相続させることができます。この代償金には、生命保険の受取人が受け取る保険金を活用します。なお、高齢者が加入する生命保険として、自らを契約者兼被保険者とする一時払い生命保険があります。これは資産を減らす効果もあり、相続対策として効果的です。(※)
- 死亡保険金の受取人を長男とする仮に、二男を受取人と指定した場合、死亡保険金は相続財産とならないため、二男は保険金を受け取りつつ、さらに長男に対し相当の遺留分を請求できることになってしまいます。したがって、死亡保険金は長男が受け取ることとし、長男は受け取った死亡保険金の中から二男へ代償金として現金を渡すことで、二男の遺留分の問題の解決を図ることができます。
(※)
・販売会社によって加入条件等が異なります。
・これとは別の契約の形態として、母から保険料相当額を贈与してもらうなどして長男自らが契約者となって保険料を支払う方法が考えられます。この場合、長男が保険金を受け取る際の税金が異なりますので、実際は比較検討が必要です。
・販売会社によって加入条件等が異なります。
・これとは別の契約の形態として、母から保険料相当額を贈与してもらうなどして長男自らが契約者となって保険料を支払う方法が考えられます。この場合、長男が保険金を受け取る際の税金が異なりますので、実際は比較検討が必要です。
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その他にも生命保険を活用した具体的な対策をご紹介
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