株式会社のよくある質問
株式会社を作る場合の取締役の員数について教えて下さい。 |
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会社法では、「株式会社には、1人又は2人以上の取締役を置かなければならない」と規定されています。旧法(旧商法)では、「取締役は3名以上たることを要す とあったのですが、会社法の施行により、1人からでいいことになりました。 なお、「1人又は2人以上」という表現は、つまり「1人以上」と同じことですが、会社法では、取締役が1人のとき(単独)と2人以上(複数)のときで、いくつかの異なる規律が適用されますので、あえてこのような表現になったとされています。 |
株主総会の定足数について教えて下さい。 |
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会社法では、株主総会は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行うとあります。これは、株主総会の普通決議と呼ばれるものです。 ところで、一般的な会社の定款をみていますと、「株主総会の決議は、法令又は本定款に別段の定めがある場合を除き、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う」とあり、普通決議の定足数を排除していることがわかります。これは、定足数を満たさないため総会が開催できないといった事態を避け、出席した株主だけで決議ができるようにするために設けられた規定です。したがって、この場合は1人でも出席すれば、適法に総会は開催され、決議をすることが可能です。 なお、取締役や監査役などの役員の選任または解任については、会社法の規定により、定款で定足数を排除することは出来ません。また、いわゆる特別決議と呼ばれる決議も同様に、定足数の排除は認められないことになります。 |
株主総会議事録の作成者はだれですか。 |
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現在の会社法の下では、株主総会議事録の作成者について「取締役」が作成するものとされています。この「取締役」については、旧商法時代において株主総会議事録の署名義務者とされていた取締役のうちの一名で差し支えないと解されており、更に、改選後の取締役であってもよいとする見解もあります。なお、旧商法時代に要求されていた「議長及び出席した取締役全員の記名押印」は不要になりました。 参考文献 「商業登記ハンドブック(第3版)P149 |
取締役会非設置会社において、代表取締役がABの2名、Bが代表取締役のみを辞任する場合の登記手続きについて、必要な書類を教えて下さい。 |
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代表取締役の辞任については、まず、代表取締役の選定方法が定款でどうなっているのかを確認する必要があります。 定款に「代表取締役は取締役の互選で定める。」との規定があれば、辞任届と互選の規定を証するための定款が必要になります。互選の規定がある場合は、取締役の地位と代表取締役の地位が分化していますから、代表取締役の地位のみの辞任も可能になります。 一方、定款に定めがなければ(あるいは、「株主総会で代表取締役を定める。」とあれば)、取締役は各自、会社を代表するのが原則ですが、株主総会で、一部の取締役の代表権を剥奪することができます。代表権のない取締役の存在により、特定の取締役が代表取締役という立場になります。同様に、代表取締役が代表権のみを返上したい(代表権のない取締役になりたい)という場合は、辞任届と代表権を剥奪することを承認した株主総会議事録が必要になります。 |
取締役がABの2名、代表取締役がA1名の取締役会非設置会社において、Aが死亡または取締役を辞任した場合、Bは当然に代表取締役になるのでしょうか。 |
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代表取締役を定款でどのように定めたかで決まります。通常は、いったん代表取締役を定めた以上、その者が死亡し、または辞任して会社に代表取締役がいなくなった場合でも、残りの取締役が当然に代表権を有するわけではないと解されています。 まず、定款の規定により、代表取締役の選定方法が株主総会であると解される場合は、株主総会でBを代表取締役と定めない限り、Bは当然には代表取締役にはなれません。定款で代表取締役をAと定めてある場合も同様です。 次に、定款の規定により、取締役が2名以上いるときの代表取締役の選定方法が、いわゆる「取締役の互選」である場合は、取締役が1名となったときは、その者を代表取締役とするという趣旨であるとされるので、Bが代表取締役に就任します。この場合の登記原因は、「年月日代表権の付与」となります。 なお、定款で「取締役を2名以上置き・・」とある場合は、Aの死亡または辞任により欠員状態が生じているわけですから、定款を変更するか、後任者を選任する必要がります。 |