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「取引先の債権が二重に譲渡された場合の優劣について(特例法による通知があった場合)」
質問
当社Xは、取引先であるAのSに対する売掛債権の譲渡を受けることになり、4月10日、債権譲渡の登記を済ませたあと、Sに対し、いわゆる債権譲渡特例法第4条第2項の規定のよる通知を行いました。
ところが、Sからは、当該債権は、別のYに対しすでに支払いを済ませたと言われました。Sに確認したことろ、Sは、Yが当該債権の譲渡を受けたとする確定日付のある債権譲渡通知の送付を受けていたとのことです。なお、当該通知がSの元に到達したのは、4月15日とのことです。この場合、Xは、どのように債権の回収を図ればいいのでしょうか。
回答
Xは、Yに対し、不当利得返還請求として、弁済金の返還を求めることができると考えます。
解説
債権が二重に譲渡された場合の各譲受人間での優劣は、先に対抗要件を備えた方が優先することになります。対抗要件とは、債権譲渡の事実を債務者や第三者に対し主張するための法律要件のことをいい、対抗要件を備えるとは、譲渡人が債務者に債権の譲渡を通知をするか、または債務者がそれを承諾をする必要があります。この通知または承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、第三者(ex:債権が二重に譲渡されたときの第二譲受人 等)に対抗できないとされています(民法第467条@A)。なお、債権の譲渡人が法人の場合は、債権譲渡登記ファイルに記録することにより、当該債権の債務者以外の第三者について、上記民法467条の規定による確定日付のある証書による通知があったものとみなされ、また、債務者に対し、いわゆる債権譲渡特例法4条2項の規定による通知をするか、債務者が承諾したときは、債務者に対する対抗要件が具備されます(下記条文参照)。
さて、同一債権が上記事例のように二重に譲渡された場合の優劣は、X社が債権譲渡の登記をした日時と、Yを譲受人とする債権譲渡の通知がSに到達した日時との先後関係によりその優劣を判断することとなります。したがって、X社が先に対抗要件を備えていると判断できるので、X社は、Yに対し、不当利得返還請求として、弁済金の返還を求めることができると考えます。なお、特例法4条2項の規定による通知がSに届くまでは、X社のSに対する対抗要件は備わっていないので、この時点でSがYに対してなした支払いは有効であり、この場合にSがさらにX社に支払う必要はないと考えます。
※実際の事例に関しては、最寄りの専門家等へご相談ください。
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動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律
(債権の譲渡の対抗要件の特例等)
第4条 法人が債権(指名債権であって金銭の支払を目的とするものに限る。以下同じ。)を譲渡した場合において、当該債権の譲渡につき債権譲渡登記ファイルに譲渡の登記がされたときは、当該債権の債務者以外の第三者については、民法第467条 の規定による確定日付のある証書による通知があったものとみなす。この場合においては、当該登記の日付をもって確定日付とする。
2 前項に規定する登記(以下「債権譲渡登記」という。)がされた場合において、当該債権の譲渡及びその譲渡につき債権譲渡登記がされたことについて、譲渡人若しくは譲受人が当該債権の債務者に第11条第2項に規定する登記事項証明書を交付して通知をし、又は当該債務者が承諾をしたときは、当該債務者についても、前項と同様とする。
3 省略
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〜類似の事例〜
取引先の債権が二重に譲渡された場合の債務者の支払先は
http://www.shihou-anzai.com/other/saikennijuujouto.html
「取引先の債権が二重に譲渡された場合の優劣について(特例法による通知があった場合)」
質問
当社Xは、取引先であるAのSに対する売掛債権の譲渡を受けることになり、4月10日、債権譲渡の登記を済ませたあと、Sに対し、いわゆる債権譲渡特例法第4条第2項の規定のよる通知を行いました。
ところが、Sからは、当該債権は、別のYに対しすでに支払いを済ませたと言われました。Sに確認したことろ、Sは、Yが当該債権の譲渡を受けたとする確定日付のある債権譲渡通知の送付を受けていたとのことです。なお、当該通知がSの元に到達したのは、4月15日とのことです。この場合、Xは、どのように債権の回収を図ればいいのでしょうか。
回答
Xは、Yに対し、不当利得返還請求として、弁済金の返還を求めることができると考えます。
解説
債権が二重に譲渡された場合の各譲受人間での優劣は、先に対抗要件を備えた方が優先することになります。対抗要件とは、債権譲渡の事実を債務者や第三者に対し主張するための法律要件のことをいい、対抗要件を備えるとは、譲渡人が債務者に債権の譲渡を通知をするか、または債務者がそれを承諾をする必要があります。この通知または承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、第三者(ex:債権が二重に譲渡されたときの第二譲受人 等)に対抗できないとされています(民法第467条@A)。なお、債権の譲渡人が法人の場合は、債権譲渡登記ファイルに記録することにより、当該債権の債務者以外の第三者について、上記民法467条の規定による確定日付のある証書による通知があったものとみなされ、また、債務者に対し、いわゆる債権譲渡特例法4条2項の規定による通知をするか、債務者が承諾したときは、債務者に対する対抗要件が具備されます(下記条文参照)。
さて、同一債権が上記事例のように二重に譲渡された場合の優劣は、X社が債権譲渡の登記をした日時と、Yを譲受人とする債権譲渡の通知がSに到達した日時との先後関係によりその優劣を判断することとなります。したがって、X社が先に対抗要件を備えていると判断できるので、X社は、Yに対し、不当利得返還請求として、弁済金の返還を求めることができると考えます。なお、特例法4条2項の規定による通知がSに届くまでは、X社のSに対する対抗要件は備わっていないので、この時点でSがYに対してなした支払いは有効であり、この場合にSがさらにX社に支払う必要はないと考えます。
※実際の事例に関しては、最寄りの専門家等へご相談ください。
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動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律
(債権の譲渡の対抗要件の特例等)
第4条 法人が債権(指名債権であって金銭の支払を目的とするものに限る。以下同じ。)を譲渡した場合において、当該債権の譲渡につき債権譲渡登記ファイルに譲渡の登記がされたときは、当該債権の債務者以外の第三者については、民法第467条 の規定による確定日付のある証書による通知があったものとみなす。この場合においては、当該登記の日付をもって確定日付とする。
2 前項に規定する登記(以下「債権譲渡登記」という。)がされた場合において、当該債権の譲渡及びその譲渡につき債権譲渡登記がされたことについて、譲渡人若しくは譲受人が当該債権の債務者に第11条第2項に規定する登記事項証明書を交付して通知をし、又は当該債務者が承諾をしたときは、当該債務者についても、前項と同様とする。
3 省略
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http://www.shihou-anzai.com/other/saikennijuujouto.html
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