遺贈の登記が入ったあとの遺留分減殺請求について|不動産登記・相続登記・遺言・会社設立登記・成年後見・司法書士安西総合事務所<横浜市戸塚区・泉区>

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テーマ

「遺贈の登記が入ったあとの遺留分減殺請求について」

質問

 遺留分を侵害する遺贈の存在が調停で認められましたが、すでに相手方名義の遺贈による所有権の移転の登記がされている不動産があります。不動産を遺留分権利者の名義へ戻すにはどのような方法がありますか?また、その場合にどのような書類が必要になりますか?




回答
 
 「相続」または「遺贈」による所有権の移転登記がされた後においては、「遺留分減殺」を登記原因とする所有権の移転の登記をすることができます。
 この登記に必要な書類は、登記原因証明情報として、遺留分減殺の調停調書正本ほか、遺留分権利者が相続人であることの戸籍謄本を提供する必要がありますが、当該調停調書正本の中に、遺留分権利者が相続人であることの記載がされていれば、それをもって登記官は確認できるので、戸籍謄本の提供は不要と考えられます。


解説

「遺留分減殺請求の法的性質」
 遺留分減殺請求の法的性質について、判例は「遺留分減殺請求権は形成権であって、その行使により贈与または遺贈は遺留分を侵害する限度において失効し、受遺者または受贈者が取得した権利は、右の限度において当然に遺留分権利者に帰属する」としています(最判S57.3.4)。いったん、減殺請求の意思表示がなされれば、法律上、当然に減殺の効果が発生することになりますが、実務では、裁判(調停等)で解決が図られることが多いといえます。
 なお、遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が相続の開始及び減殺すべき贈与または遺贈の存在を知ったときから1年間これを行使しないときは時効によって消滅し、相続開始の時から10年経過したときも同様とするとされています。

「遺留分減殺請求の行使と登記」
 対象となる不動産が被相続人名義のままのときは、直接、遺留分権利者のために「相続」を原因として登記をすることができ、本問のようにすでに、相続または遺贈の登記がされているときは、「遺留分減殺」を登記原因として登記をすることができます。なお、いずれの場合も、納付すべき登録免許税額は、移転する不動産の価格に4/1000を乗じた額となります。
 また、添付すべき登記原因証明情報として、調停が成立した場合は、留分減殺の調停調書正本ほか、遺留分権利者が相続人であることの戸籍謄本を提供する必要がありますが、当該調停調書正本の中に、遺留分権利者が相続人であることの記載がされていれば、それをもって登記官は確認できるので、戸籍謄本の提供は不要と考えられます。

以上です。

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