遺留分減殺の順序について|戸塚区・泉区・栄区の不動産登記や相続手続きは、司法書士安西総合事務所にお任せください。

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テーマ
「遺留分減殺の順序について」


質問
 
 受遺者又は受贈者に対し遺留分を請求する場合の請求する順序について教えて下さい。



回答及び解説
 遺留分を請求する場合の順序については,民法に以下のとおり規定があります。

〜民法〜
(贈与と遺贈の減殺の順序)
 第1033条  贈与は、遺贈を減殺した後でなければ、減殺することができない。

(遺贈の減殺の割合)
 第1034条  遺贈は、その目的の価額の割合に応じて減殺する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

 まず,1033条では,仮に遺贈と生前贈与とがあった場合には,まず遺贈を減殺し,それでも遺留分に満たない場合には生前贈与を減殺するとして,目的物が贈与と遺贈と複数ある場合の遺留分の順序について規定がされています。
 仮に、遺言者が遺言書において,この順序とは異なる指示 ー例えば,この遺贈より先に,○年前にAに対して行った贈与を減殺せよ ー をしていた場合,この指示が認められるかどうか問題になりますが,裁判所は,民法1033条は強行法規であると判断していますから,この規定に反する遺言をしても,その部分は認められないことになります。

 次に,複数の遺贈があった場合,遺贈に関しては時期の先後関係は問題とならず,すべての遺贈が同順位で扱われ,遺言者の別段の意思表示がない限り,遺贈の価額の割合に応じて減殺していくことになります(1034条参照)。ここで注意したいのは,遺言者が別段の意思表示をすれば,これと異なる順序が認められることになります。
 つまり,遺言者は,受遺者が複数ある場合や不動産が複数ある場合には,将来の遺留分に備え,特定の受遺者、特定の不動産から減殺するように指示したり,分割が困難な不動産ではなく,預貯金から減殺するように指示したりすることが認められると考えられます。
 遺言書を作成するさいは,将来の遺留分を踏まえた上で,目的物の順序に関しても検討してみることが重要です。


以上です。






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