遺贈と死因贈与の違い|戸塚区・泉区・栄区の不動産登記や相続手続きは、司法書士安西総合事務所にお任せください。

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テーマ「遺贈と死因贈与の違いについて」

事例(一部編集済)

1.父が死亡し、相続人は、父の再婚相手である後妻のA子さんと、父と前妻との間の子X男さんの二人のみ。

2.A子さんとX男さんとの間に血縁関係はなし(養子縁組なし)。

相談者

 X男さん

相談内容
 
 父が所有していたマンションを、遺産分割協議でA子さんのものとすると定めた場合の注意点は?

参考回答

 父名義のマンションを遺産分割でA子が相続すると定めた場合、A子が死亡した後、そのマンションはA子の相続人側へ行ってしまいます。相談者としては、父のマンションがA子の相続人へ流れていくことには抵抗があるとして、A子に対し、A子死亡後はそのマンションを相談者に「遺贈」するように準備しておきたいと考えます。
 しかし、A子がいくらマンションを相談者にあげる(遺贈する)という内容の遺言を作成しても、遺言者であるA子は、いつでも、書いた遺言を撤回出来てしまいます(民法第1022条)。 また、遺言に書いた内容を無視して、A子が、第三者へマンションを売却すれば、この遺言は、実現不可能となり、遺言は無効になります(民法第1023条)。
 遺言者は自分の書いた遺言の内容に拘束されないので、受遺者であるX男にとって、遺言は不安定なものといえます。
 では、死因贈与契約はどうでしょうか。死因贈与契約とは、贈与者の死亡によって効力が発生する贈与のことであり、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定が準用されます(民法554条)。つまり、死因贈与も遺言と同様、あとから贈与者が一方的に撤回することは出来ると解されています(※1)。
 ただし、死因贈与の場合、遺贈と異なり、効力発生前でも仮登記が認められているので、公正証書による契約と合わせて法務局で仮登記を申請しておけば、今回の相談者の一つの対策としては効果的かもしれません(※2)。

以上です。

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(※1)死因贈与は、「契約」のため、そもそも撤回できないという説もあります。
(※2)公証実務では、仮登記を申請することは、死因贈与契約を締結した贈与者が死亡前に撤回権を放棄したものとし、実体的に見ても、前の遺言と後の遺言との抵触を定めた民法1023条の類推適用は困難と考えているようです(ただし、死因贈与が撤回されてもやむを得ない事情がある場合については争いがあります。)。
また、嘱託人(依頼者)が希望するなら、あらかじめ撤回権の放棄条項を公正証書に入れておくことも可能です。

(※1)(※2)参考文献として「登記インターネット121号、登記研究793号」

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補足)
 納付する登録免許税に関して、遺贈の場合も死因贈与の場合も不動産価額の2%となります(登録免許税法別普1.1.(2)ハ)。ただし、受遺者が相続人であるときの「遺贈」による所有権の移転に掛かる登録免許税は、相続の場合と同様、不動産価額の0.4%となります(平成15.4.1法務省民二第1022号法務省民事局長通達)。
 従って、受ける人が相続人である場合、登記のコスト面だけを考えると、死因贈与より遺贈の方が安く抑えられるといえます。




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