売主である清算株式会社が特別清算手続に入っている場合の所有権の移転登記手続きについて|不動産登記・相続登記・遺言・会社設立登記・成年後見・司法書士安西総合事務所<横浜市戸塚区・泉区>

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テーマ「売主である清算株式会社が特別清算手続に入っている場合の所有権の移転登記手続きについて」



質問

 不動産売買の売主である清算株式会社が特別清算手続に入っている場合、所有権の移転登記の申請人は誰か、また、必要な添付書類はなにか。


回答

 まず、特別清算(会社法510条〜)は、清算中の株式会社(以下、「清算株式会社」)について開始される手続きであり、この時点で当該清算株式会社には既に清算人が存在することになります。
 債権者又は清算人などから清算株式会社につき、特別清算開始の申立がなされ、裁判所が開始を命じると、現に存する清算人の地位はどうなるのかという疑問がありますが、これに関しては、従来の清算人の地位に変更はなく、引き続き清算人が清算事務を執り行うここととなります(同523条)。
 従って、特別清算が開始された場合でも、登記原因証明情報や登記申請の委任状等は、登記記録に記載されている会社を代表する清算人から提出してもらうことになります。なお、実務では、弁護士等が清算人代理(同525条)として、裁判所の許可を得て、清算人に代わって清算事務を執り行うことがあります。

 次に、特別清算開始の命令があった清算株式会社が財産の処分をするには、原則、裁判所の許可、または監督委員が選任されているときは監督委員の同意が必要になります(同535条第一項第1号)。この書類は、不動産登記申請の際の添付書類となります。この場合、登記識別情報通知も併せて提出する必要があります。これに関し、登記申請の際、申請情報と併せて不動産の処分に関する裁判所の許可書が提供されている場合、登記識別情報の提供を要しないとする先例等(※下記参考)がありますが、これは、@裁判所が選任した者が申請人となっていること、A当該不動産の処分に関する裁判所の許可書が併せて提供されていること、@Aの各要件をいずれも満たすときに登記識別情報の提供を要しないとしたものと考えられます。これに対し、特別清算では、裁判所が選任した者が申請人となっているわけではないことからも、通常通り、登記識別情報の提供が必要になります。

 なお、会社法573条第1号の規定により特別清算が結了し、裁判所より終結の決定がなされたときは、当該会社は消滅し、登記記録は職権で閉鎖されることとなります(商業登記規則第80条)。

以上です。

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参考条文
(特別清算開始の申立て)
第510条  債権者、清算人、監査役又は株主は、特別清算開始の申立てをすることができる。
2  清算株式会社に債務超過の疑いがあるときは、清算人は、特別清算開始の申立てをしなければならない。
参考
・破産管財人の事例につき、昭和34年5月12日付民事甲第929号民事局長回答
・相続財産管理人の事例につき、登記研究606号質疑応答
・不在者財産管理人の事例につき、登記研究779号質疑応答
・成年後見人の事例につき、登記研究779号カウンター相談
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