取締役の再任と本人確認証明書について|戸塚区・泉区・栄区の不動産登記や相続手続きは、司法書士安西総合事務所にお任せください。

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「取締役の再任と本人確認証明書について」

 取締役が就任する場合の変更登記の添付書類には,就任承諾書等に当該取締役の印鑑証明書を添付する必要がある場合を除き,就任承諾書等に記載した氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている住民票等(以下、「本人確認証明書」)を添付する必要があります(平成27年2月20日付法務省民商第18号通達、改正商業登記規則61条第5項参照)。
 この趣旨に関しては前回の記事に書いたとおりですが,この本人確認証明書の例として,同通達では,住民票の他,戸籍の付票,外国に住所がある者は日本領事発行の在留証明書,又は,運転免許証、住基カード、在留カード等の写しなどを掲げています。なお、これらの写しを添付する場合は、当該取締役が原本と相違ない旨を記載し,署名又は記名押印する必要があります。また,この通達には印鑑証明書は記載されていませんが,住所及び氏名の記載のある市区町村の発行する印鑑証明書も,本人確認証明書の一つに該当すると考えられています(※)。

 ところで,当該取締役が「再任」に該当する場合は,本人確認証明書の添付は不要ですが(同規則61条第5項本文参照),この「再任」については,法務局によって異なった扱いがされているようです(以下,登記研究806号参照)。
 再任の意義は,同一人を同一役員として再選(取締役は取締役として再選し,監査役は監査役として再選)することで,具体的には次のような場合をいうものと解されています。
@重任の場合(任期中に同じ役員として予選され,任期に切れ目なく就任した場合)
A辞任又は任期満了により権利義務を承継している役員が,同じ役員として選任された場合
B辞任等で退任した役員が当該登記未了の間に,再度同じ役員として再選された場合

 なお,再任に該当しないときでも,本人確認証明書の添付趣旨から判断して,登記官の審査権の範囲内で登記官が同一人と判断できる場合(以下のような場合)は,便宜本人確認証明書の添付を要しないと解する法務局があるとのことです(以下、備忘録)。
C退任登記済みだが,履歴事項に登載されている間に再選された場合
D監査役を辞任し取締役に就任した事案(逆を含む)において,議事録の記載から,同一人ということが確認できる場合


以上です。

(※)登記情報642号P29


補足)

 再任の定義についてはいくつかの見解があり,現時点で明確な基準があるわけではありません。また,名前だけの役員が重任する場合などは,本来の趣旨からいえば,本人確認証明書の確認が必要ともいえそうです。
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