旧商法下において合資会社の有限責任社員が死亡した場合の登記手続きについて|不動産登記・相続登記・遺言・会社設立登記・成年後見・司法書士安西総合事務所<横浜市戸塚区・泉区>

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テーマ
「旧商法下において合資会社の有限責任社員が死亡した場合の登記手続きについて」

質問

 私は、昭和26年に設立された合資会社Nの代表社員をやっていますが、現在、この会社の登記記録には、無限責任社員として私一名が、有限責任社員として私の妻と母がそれぞれ登記されています。しかし、母は平成元年にすでに死亡しています。この場合、母については、どのような登記手続きをすればいいのでしょうか?なお、母の相続人には、私と兄がいます。

回答及び解説

 ご質問の場合は、お母様の死亡による退社の登記と相続人であるお兄様の加入の登記が必要になります。
 会社法施行(平成18年5月1日)前の旧商法下において、合資会社の有限責任社員が死亡した場合は、その相続人がこれに代わって社員となると定められていました(旧商法第161条第一項参照)。したがって、ご質問の場合は、相続人が社員として加入することになります。具体的な登記手続きとしては、添付書類として、お母様の相続人を認定できる戸籍謄本、除籍謄本等の相続関係を証明できる書類を用意し、相続人の一人である相談者に関しては、無限責任社員が有限責任社員の持分を相続することになりますが、有限責任社員の持分を相続した無限責任社員は、無限責任社員の地位のみを有し持分が増加することになります。また、もう一人の相続人であるお兄様に関しては、相続開始日に加入(入社)することになります。この場合、登記記録中社員に関する事項欄には、相続人の持分として、「(金○○円の内持分2分の1 全部履行)」と登記されます。
 なお、会社法の施行により、合資会社の有限責任社員は死亡によって当然に退社することになり、定款に相続人が死亡社員の持分を相続する旨の定めがある場合に限り、相続入社することになりました(会社法第607条第一項第3号、同608条)。しかし、合資会社の有限責任社員の相続の発生が会社法施行前なら、上記のように旧商法の規定が適用されるので注意が必要です。


以上です。


(参考文献)
「商業登記実務相談事例集第2集」神ア満治郎 編著



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(※)参考先例
有限責任社員の死亡と相続人数人中の1人のみによる入社登記申請の受否
《合名会社及び合資会社の変更登記の申請》
 合資会社の有限責任社員が死去した場合において、共同相続人中の1人が社員となることの遺産分割の協議が成立したとき、その者のみの入社の登記は受理することができない。
(昭38.5.10、民事甲第1357号民事局長回答)

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