財産分与と所有権の移転登記について|不動産登記・相続登記・遺言・会社設立登記・成年後見・司法書士安西総合事務所<横浜市戸塚区・泉区>

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テーマ「財産分与と所有権の移転登記について」

解説

 協議上、裁判上問わず、離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができます(民法768T、同771)。これを財産分与といいます。財産分与には、@婚姻中の財産の潜在的持分の清算とA離婚による生活困窮者に対する扶養が含まれていると解されていますが、離婚による精神的損害の賠償(慰謝料)が含まれるかどうかに関しては争いがあり、判例は、「すでに財産分与がなされた場合においても、それが損害賠償の要素を含めた趣旨とは解されないか、または、その額および方法において分与請求者の精神的苦痛を慰籍するに足りないと認められるものであるときは、右請求者は、別個に、相手方の不法行為を理由として離婚による慰籍料を請求することを妨げられない。」と判示しています( 最判昭46年07月23日)。
 財産分与によって、相手方の所有する不動産を取得する内容の協議が成立した、又は裁判上の調停、審判が成立した場合は、「財産分与」を登記原因として、当該不動産について、所有権の移転登記をします。財産分与の登記原因の日付けは、財産分与の協議が成立した日ですが、協議離婚の届出前に財産分与の協議が成立したときは、協議離婚の届出の日になります(登記研究490号)。なぜなら、財産分与は離婚によって発生する効果であり、協議離婚の届出前に財産分与の協議が成立したときは、離婚を条件にその効果が発生するものと解されるからです。なお、協議離婚は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによってその効力を生じます(民法764、同739)。
 またこのことからも、離婚前における財産分与の予約を登記原因とする所有権移転請求権の仮登記の申請は、受理されないとする先例があります(昭和57.1.6民三251号民事局長回答)。これは、財産分与請求権は、離婚の効力発生により生じる請求権であり、離婚の効力発生前においては財産分与請求権なく、不動産登記法上のいわゆる2号仮登記の対象となる請求権に該当するものと解することはできないとされているからです。

以上、財産分与と不動産登記の関係についてまとめてみました。


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参考条文

民法
(財産分与)
第768条  協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
2  前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から二年を経過したときは、この限りでない。
3  前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。

その他参考先例

内縁離婚に基づく「財産分与」を登記原因として所有権移転登記を申請することの可否
 内縁離婚をした件につき、「被告は、原告に対し、〇〇の不動産につき 年 月 日財産分与を原因とする所有権移転登記手続をせよ」との判決正本を添付して所有権移転登記を申請する場合には、登記原因を「財産分与」とすることができる。
(昭47.10.20、民事三発第559号民事局第三課長回答)

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