退職した取締役に対し,退職慰労金として会社不動産を給付する場合の登記手続きについて|戸塚区・泉区・栄区の不動産登記や相続手続きは、司法書士安西総合事務所にお任せください。

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テーマ

「退職した取締役に対し、退職慰労金として会社不動産を給付する場合の登記手続について」


質問

 わたしは今年3月末日をもってR会社の代表取締役を退任しました。その際、退職慰労金としてR会社のA不動産を給付してもらうことが株主総会で了承されました。今後、A不動産の所有権の移転登記はどのようにすればいいでしょうか。



回答

 質問者を登記権利者、R会社の新代表取締役を登記義務者としてA不動産の所有権の移転登記を行います。添付書類としては、当該株主総会議事録が必要になります。登記原因は、「年月日退職慰労金の給付」が挙げられます(登記研究790号質疑応答参照)。その日付は株主総会の決議後、給付を受ける者が受諾の意思表示をしたときになります。


解説

 まず、会社法では取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下、「報酬等」)について、その額や具体的な算定方法、金銭でないものについてはその具体的な内容等を定款に定めていないときは、株主総会の決議によって定めるものと規定されています(§361TB参照)。これは定款の定め、または株主総会の決議を必要とすることによって、取締役自らが額等を決定する「お手盛り」を防止する意味があるとされています。なお,この報酬等には、退職慰労金も含まれると解されています。
 次に、株主総会の決議で不動産の支給が了承されれば、当該取締役が受諾の意思表示をすることにより、不動産の所有権が移転することになります。ところで、この場合の登記原因についてはいくつか考えられますが、質疑応答【7957】によれば,

「退職慰労金の給付」

とするのが相当とあります(これと似て非なる登記原因に、「代物弁済」があります)。

以上です。


※上記は、執筆時点での情報です。実際の事例に関しては、管轄の法務局、又は登記申請を担当する専門家へお尋ねください。

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