清算型遺贈と登記|不動産登記・相続登記・遺言・会社設立登記・成年後見・司法書士安西総合事務所<横浜市戸塚区・泉区>

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「相続人不存在の場合の清算型遺贈の登記の方法は?」


事例(一部編集済み

 Sさんは兄弟姉妹がおらず、また、婚姻歴がなく子もおらず、さらに両親はすでに死亡しているため、Sさんが死亡したら相続人は不存在となります。このため、Sさんは、自分が死亡したら自宅不動産を換価した上で、換価代金を某NPO法人に遺贈する内容の公正証書遺言を作成しました。その際、遺言執行者には税理士Eを指定しました。
 今般、この遺言に基づいて不動産を換価するためには、どのような登記手続が必要ですか?


 
解説
 遺言の内容が、「遺言者はその所有する不動産を遺言執行者に全て換価させ、その換価代金から必要経費(通常は、具体的に特定。)を控除したその残額を、次に記す団体に遺贈する。」と記載された遺言書にもとづき、遺言執行者が不動産を売却して買主名義へ所有権の移転の登記を申請する場合には、その前提として、相続人への相続登記が必要とされています(※1)
 しかし、今回の事例では、Sさんに相続人がいないため、相続登記を経由する余地はありません。民法の規定では、「相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は法人とする。」とされていることから、登記手続きもこれに合わせて、まず、遺言者であるSさん名義の不動産を、「亡S相続財産法人」の名義とする所有権登記名義人表示変更登記をし、それから、売買を原因とし、買主名義への所有権の移転の登記をすることになります。
 なお、相続財産法人への登記名義人表示変更は、遺言書で指定された遺言執行者Eからの単独申請によって、また、買主への所有権の移転の登記は、遺言執行者Eと買主との共同申請によって、それぞれ行うことになります。遺言執行者Eの資格を証する書面は、下記登記研究(※2)が参考になります。

以上です。

(注)実際のケースに関しては、必ず管轄の登記所へご照会ください。


(※1) 遺言による所有権移転登記の申請
 「遺言執行者は、不動産を売却してその代金中より負債を支払い、残額を受遺者に分配する。」とある遺言状に基づき、遺言執行者が不動産を売却して買主名義に所有権移転の登記を申請する場合には、その前提として相続による所有権移転の登記を要する。
(昭45.10.5、民事甲第4,160号民事局長回答)

(※2) 相続人不存在の場合における清算型遺言による登記手続(登研619号)
 ▽問 相続人のいない遺言者が、遺言者名義の不動産を売却・換価し、その代金を債務に充当して、残金を遺贈する旨の遺言を残して死亡した場合、遺言執行者が選任又は指定されているときは、改めて相続財産管理人を選任しなくても、遺言執行者の申請により相続財産法人名義への登記名義人表示変更の登記をした上で、遺言執行者と当該不動産の買受人との共同申請により、所有権移転登記をすることができるものと考えますが、いかがでしょうか。
 ◇答 貴見のとおりと考えます。
 なお、この場合であっても、遺言執行者が指定されている遺言書又は家庭裁判所の選任書並びに相続人が不存在であること及び遺言者の死亡を証する書面を添付する必要があります。

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