相続、遺言、不動産登記手続
不動産登記手続
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「判決と相続証明書」
家庭裁判所の調停又は審判に基づいて相続登記を申請する場合、戸籍謄本等の添付を要しないとする先例があります(昭和37.5.31民甲1489民事局長電報回答)。なぜなら、調停又は審判による遺産分割協議は、家庭裁判所への申立時に戸籍謄本等の添付する必要があり、調停調書又は審判書で相続関係を明らかにすることができるため、登記申請の段階で改めて戸籍謄本等の添付を求める必要はないものとされているからです。
では、一般の民事裁判の場合はどうでしょうか。たとえば、ある日、Xさんは自分の持っている不動産の登記記録に、身に覚えのないA名義の抵当権設定登記があることを発見し、これを抹消したいと司法書士に相談しました。相談を受けた司法書士は、Xさんの訴訟代理人(※司法書士法3E)となってAを相手に裁判をしようとしましたが、Aは既に亡くなっていたことが判明し、Aの相続人であるY・Z の二名を相手に裁判し、その結果、Xさんの主張を全面的に認める勝訴の判決を得ました。
さて、この判決(確定済)に基づいて、A名義の抵当権抹消登記を申請しようとしますが、抹消する前提として、一端、抵当権者をA名義からYZ名義に相続移転する必要が生じました。この場合、果たしてAの戸籍謄本等は必要でしょうか?
(次回以降に続きます。)
以上です。
※上記は、執筆時点(2008年)での情報です。実際の事例に関しては、管轄の法務局、又は登記申請を担当する専門家へお尋ねください。
「判決と相続証明書」
家庭裁判所の調停又は審判に基づいて相続登記を申請する場合、戸籍謄本等の添付を要しないとする先例があります(昭和37.5.31民甲1489民事局長電報回答)。なぜなら、調停又は審判による遺産分割協議は、家庭裁判所への申立時に戸籍謄本等の添付する必要があり、調停調書又は審判書で相続関係を明らかにすることができるため、登記申請の段階で改めて戸籍謄本等の添付を求める必要はないものとされているからです。
では、一般の民事裁判の場合はどうでしょうか。たとえば、ある日、Xさんは自分の持っている不動産の登記記録に、身に覚えのないA名義の抵当権設定登記があることを発見し、これを抹消したいと司法書士に相談しました。相談を受けた司法書士は、Xさんの訴訟代理人(※司法書士法3E)となってAを相手に裁判をしようとしましたが、Aは既に亡くなっていたことが判明し、Aの相続人であるY・Z の二名を相手に裁判し、その結果、Xさんの主張を全面的に認める勝訴の判決を得ました。
さて、この判決(確定済)に基づいて、A名義の抵当権抹消登記を申請しようとしますが、抹消する前提として、一端、抵当権者をA名義からYZ名義に相続移転する必要が生じました。この場合、果たしてAの戸籍謄本等は必要でしょうか?
(次回以降に続きます。)
以上です。
※上記は、執筆時点(2008年)での情報です。実際の事例に関しては、管轄の法務局、又は登記申請を担当する専門家へお尋ねください。