相続により取得した共有不動産の売却処分の手続について(2)

代表相続人の単独名義とする換価型遺産分割の注意点

被相続人の不動産を相続人の一人が売却・換価し、現金を分割するといった内容の遺産分割協議を行う場合、以下のことに注意が必要です。
チェック贈与税の問題は大丈夫なのか?
 売却のため、便宜上、相続登記を代表相続人の一名とするわけですが、代表相続人が他の相続人へ現金を分配する作業が、相続人間の贈与に該当し、贈与税が課税されるおそれはないのかという問題があります。これについて、国税庁の見解では贈与に該当しないとする事例がありますが、協議内容が不明確であったり手続に不備があったりすると課税されるリスクがあります。


チェック売却に要した諸費用や必要経費は、誰がどのように負担するのか?
 これらの費用は最終的には代金から控除し精算しますが、代金受領までに発生した経費(相続に要した費用や、引渡日までの物件管理費等)の負担方法を相続人間であらかじめ決めておく必要があります。また、これらの経費の種類(項目)を具体的に協議書に掲げることで、相続人間で経費の内訳につき争いのないようにすることが重要です。


チェック代金や売却期限はどのように設定するか?
 相続人の一番の関心事といえる売却代金の設定について、これを代表相続人に一任するのか、それとも一定の制限(取り決め)を設けるのか、あるいは、売却期限を設けるのかなど売却にあたり特に重要な事項を相続人間であらかじめ決めておく必要があります。



チェック代表相続人に対する報酬は?
 代表相続人の売却活動に対し、報酬を付与するのか、日当や交通費の精算はどうするのか、これも相続人間であらかじめ決めておいた方が無難といえます。



チェック譲渡所得税等の課税の負担はどうなるのか?
 不動産を売却すると、売主に対し譲渡所得税が課税がされる場合があります。この譲渡所得税の申告は、代表相続人が行うのか、それとも代金からの分配を受けた各相続人が行うのかといった問題があります。譲渡所得税は、売却完了後に課税されるものであり、また、これに伴い次年度の住民税や国民健康保険料の増額という事態が発生するため、売却の前の段階から、相続人間で合意形成をしておく必要があります。

・その他、相続人全員が高齢であったり、または遠方にいるなどして、特定の相続人を選任することが難しい
・売却がうまくいかなかった場合の事態も想定したスキームを検討したい  など

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