相続・遺言・遺産承継
遺産分割
No 002
判示事項
(解説)
被相続人D死亡後、XはE(Dの相続人)に対する連帯保証債権を取得しました。XがEに対し、D名義のままになっている遺産たる建物について、相続を原因とする所有権移転登記をなすべきよう求めたところ、EとYら(Dの相続人)は、当該建物についてEは一切相続しない旨の遺産分割協議をし、これに基づいてYらに相続登記をしました。これに対し、Xは、Yらに対し、当該遺産分割協議は詐害行為であるとして、その取消し及びEに対する所有権移転登記手続き求めて提訴しました。
この事案において、裁判所は、共同相続人の間で成立した遺産分割協議は、詐害行為取消権行使の対象となり得るものと解するのが相当と判断しました。なぜなら、遺産分割協議は、相続の開始によって共同相続人の共有となった相続財産について、その全部又は一部を各相続人の単独所有とし、又は新たな共有関係に移行させることによって、相続財産の帰属を確定させるものであり、その性質上、財産権を目的とする法律行為であるということができるからと判示しています。(最判平11年06月11日)
判示事項
遺産分割協議と詐害行為取消権
(解説)
被相続人D死亡後、XはE(Dの相続人)に対する連帯保証債権を取得しました。XがEに対し、D名義のままになっている遺産たる建物について、相続を原因とする所有権移転登記をなすべきよう求めたところ、EとYら(Dの相続人)は、当該建物についてEは一切相続しない旨の遺産分割協議をし、これに基づいてYらに相続登記をしました。これに対し、Xは、Yらに対し、当該遺産分割協議は詐害行為であるとして、その取消し及びEに対する所有権移転登記手続き求めて提訴しました。
この事案において、裁判所は、共同相続人の間で成立した遺産分割協議は、詐害行為取消権行使の対象となり得るものと解するのが相当と判断しました。なぜなら、遺産分割協議は、相続の開始によって共同相続人の共有となった相続財産について、その全部又は一部を各相続人の単独所有とし、又は新たな共有関係に移行させることによって、相続財産の帰属を確定させるものであり、その性質上、財産権を目的とする法律行為であるということができるからと判示しています。(最判平11年06月11日)