相続・遺言・遺産承継
相続分、相続割合の判定〜孫を養子〜
孫=養子、相続権はどうなるか
質問
父には、長男Aと長女Bがいますが、
父は長男Aの子C(孫)と養子縁組
をしています。令和2年に長男Aが死亡し、令和4年に父が死亡しました。父の相続人は誰になりますか、また、その相続分はどう考えたらいいでしょうか。回答
相続人は子である長女Bと養子C、それと代表相続人として長男Aの直系卑属(子あるいは孫)になります。Cは亡父との相続関係において、養子としての立場と長男Aの直系卑属の立場が重複していますが、双方の立場で相続人の資格を有することとなります。
仮に長男Aの直系卑属がC一人であった場合の相続割合は、B;1/3、C;2/3となります。
相続分、相続割合の判定〜配偶者を養子〜
配偶者=養子、相続権はどうなるか
質問
亡Sには、実子A・Bがいますが、
長男Aの配偶者Cと養子縁組
をしています。今般、Aに相続が開始し、Aに子がいない場合、Aの相続人とその相続分はどう考えたらいいでしょうか。回答
相続人の判定において、まず、
配偶者は常に相続人
となります。次に、亡くなった者に子がなく、また直系尊属(両親、祖父母ら)がすでに他界している場合は、兄弟姉妹が相続人になります。質問のケースでは、Cは亡Sとの養子縁組を通じてAの兄弟姉妹に該当しますが、配偶者のみの相続権を認めるとするのが現在の先例実務扱いです。
相続分、相続割合の判定〜弟妹を養子〜
弟妹=養子、相続権はどうなるか
質問
兄Aが弟Bを養子にした場合において、亡Aの相続に関してBが子の立場で相続放棄をした場合の効果は、弟としての相続資格にどのような影響があるのでしょうか。
回答
民法の規定では、
尊属又は年長者を養子とすることはできない
とする養子縁組の制限があります。このことから、兄姉が弟妹を養子とすることは、一般的に認めらます。子のいない兄が弟Bを養子とした場合において、兄の相続開始時に養子Bが相続放棄をした場合、先例実務では、Bの弟としての相続権を否定しています。つまり、子として相続放棄をしたBは、弟としての相続権も認められないと解されています。
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相続の発生から相続人の特定まで