不動産登記/建物新築・増築、土地地目変更
建物表題登記
テーマ
新築した建物の建築材料が複数にわたる場合の構造の表示方法について
建物の表題登記においては、対象建物を特定し、現地で他の類似した建物と混同することなく識別できるよう、建物の特徴をできる限り具体的に記載し、公示する必要があります。このため、建物の主たる用途による種別である<種類>、及び物理的な形状である<構造>がそれぞれ登記事項となり、これらは政令において規定されています。前回は建物の種類について書きましたので、今回は構造について簡単にまとめてみます。登記事項とされている建物の構造は、建物の主たる部分の構成材料、屋根の種類、建物の階数の三要素により区分して定めます。
このうち構成材料による区分としては、木造、鉄骨造、軽量鉄骨造などがあり、構成材料が2種類以上にわたる場合には、実務上、その材料の割合が全体のおおむね30%に満たない場合は登記せず、30%を超える場合は併記して登記します。具体的には、木造の割合が80%、鉄骨が20%の場合は<木造>として登記し、木造が60%、鉄骨が40%なら<木・鉄骨造>と表示して登記します。なお、<木造>と<木・鉄骨造>では、固定資産税の評価額や所有権保存登記の登録免許税額にも違いが生じる場合があります。
次に屋根による区分としては、瓦ぶき、スレートぶき、亜鉛メッキ鋼板ぶきなどの種類があり、屋根の形状を表す「陸屋根(りくやね、ろくやね)」も含まれます。同一建物で屋根の種類が異なる場合は、<瓦・亜鉛メッキ鋼板ぶき>のように併記して登記しますが、昭和63年の民事局第三課長回答により、屋根の種類が2種類以上である場合の認定基準は次のとおりとされています。
@床面積に算入しない部分の屋根については表示の対象としない。
A床面積に算入する部分の屋根面積の30%未満の種類は表示の対象としない。
B屋根が3種類以上ある場合は、床面積に算入する部分の屋根面積を種類数で除し、おおむね平均値以上を占める屋根のみを表示する。
(※)例えば、一棟の建物に居宅部分(床面積に算入)と、壁が二方向しかないなどの理由で床面積に算入しない車庫部分がある場合、居宅部分の屋根がスレートぶき、車庫部分が亜鉛メッキ鋼板の場合、建物構造の屋根の種類としては単に<スレートぶき>と表示して登記すれば十分です。
以上です。