相続、遺言、不動産登記手続

不動産登記手続

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「平成15年3月31日以前になされた所有権の移転仮登記に基づく本登記の税率について」

質問

 AとBは、平成13年、Aの死亡を条件に甲建物の所有権をBに贈与するという内容の死因贈与契約を締結し、甲建物に以下の仮登記をしました。

 (甲建物の登記記録の一部)
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甲区6番
登記の目的        受付年月日・受付番号   権利者その他の事項
始期付所有権移転仮登記  平成13年1月30日123号   原因 平成13年1月30日贈与 
                           (始期 Aの死亡)
                          権利者 B                                          
余 白           余 白          余 白
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 Aが死亡したため、B名義の所有権移転の本登記をする場合の登録免許税の計算方法について教えてください。

回答及び解説

 まず、

死因贈与

とは、贈与者の死亡によって効力が発生する贈与のことであり、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定が準用されます(民法554条)。上記は、贈与者であるAが死亡し贈与の効力が発生したため、Bが所有権移転の本登記をなす場合の登録免許税の計算方法についての質問です。
 仮登記の本登記における登録免許税の税率については、本登記の税率から一定の割合を控除した割合とすることになっていますが(登録免許税法第17条参照)、仮登記の時期によって控除する割合に差異が生じることになるので注意が必要です(租税特別措置法72条二項、三項参照)。
 上記質問に関し、平成15年3月31日以前になされた所有権の移転仮登記に基づく本登記の税率については、1,000分の20(登録免許税法別表1.1.(2)ハ)から1,000分4(平成15年法律第8号「所得税法等の一部を改正する法律附則24C」)を控除した1,000分16になります。なお、他の例として、土地の売買による所有権の移転の登記の税率については、仮登記を受けた時期に応じて、登録免許税法第17条第一項、又は租税特別措置法72条第二項若しくは第三項の規定に基づいて計算する必要があります。

以上です。


※上記は、執筆時点(2008年)での情報です。実際の事例に関しては、管轄の法務局、又は登記申請を担当する専門家へお尋ねください。
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参考
 死因贈与と遺贈の違いについてまとめたものは、こちらをご参照下さい。
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補足「死因贈与について」


 自分が死亡した後に、特定の不動産を推定相続人でない者(内縁の妻、孫など)に贈与したいという方は少なくありません。この場合、遺言書を作成しておくことも一つの方法ですが、死因贈与契約を締結する方法も有効な方法だと思います。遺言と死因贈与の大きな違いに一つに、不動産について、あらかじめ贈与の仮登記をしておくことができるという点があります。
ところで、

死因贈与契約を締結する場合は、公正証書で契約書を作成

すること強くお勧め致します。私書証書で作成しても法律上は問題ありませんが、いざ効力が発生し、本登記をする段階になってやっかいな問題が発生することも十分に考えられます。詳しくは当事務所までご相談ください。

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