相続分の譲渡による所有権の移転の登記の要否について|戸塚区・泉区・栄区の不動産登記や相続手続きは、司法書士安西総合事務所にお任せください。

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テーマ「相続分の譲渡による所有権の移転の登記の要否について」

登記研究787号「質疑応答」に、実務上興味深い事例が載っていました。

要旨
 亡Xの相続人であるA,B及びCを登記名義人とする相続による所有権の移転の登記がされている甲不動産に関して、Cの相続分をA及びBに対し譲渡する旨の調停がされ、その後、AB間で甲不動産をAの単有とする旨の遺産分割協議が行われた場合には、相続分の譲渡による所有権の移転の登記をすることなく、遺産分割を登記原因として、直接、B及びCからAへの所有権の移転の登記をすることができる。

解説

 相続分の譲渡に関しては、その可否を直接定めている規定は見あたりませんが、たとえば、民法905条の規定は、相続分の譲渡が認められることを前提としていると解されておりますし、裁判例でも「相続分の譲渡は、これによって共同相続人の一人として有する一切の権利義務は包括的に譲受人に移転され、同時に譲受人は遺産分割に関与することができるのみならず、必ず関与させられなければならぬ地位を取得する。」としております(大阪高裁昭和54年7月6日決定)。

 上記要旨にある法律行為としては、@「相続分の譲渡」A「遺産分割」と二つの個別の行為があります。いったんA,B及びCの法定相続登記がなされており、これを前提として、取得者であるA名義とするための所有権の移転の登記手続きを検討する場合、本来なら、まず@相続分の譲渡によるCからA及びBへの所有権(持分)の移転の登記、次にAAB間の遺産分割によるBからAへの所有権(持分)の移転の登記と、二つの登記手続きが必要になりそうです。

 しかし、今回の質疑応答によれば、最初の@を省略し、いわば中間省略のようなかたちで、直接最終の取得者への所有権の移転の登記を認めております。実務上、興味深い内容だと思います。

 なお、これと類似の事例で、法定相続人への共同相続による所有権の移転の登記がされている不動産について、相続人の一人から相続分の譲渡(売買)を受けた相続人以外の第三者が、遺産分割協議により当該不動産を取得した場合の所有権の移転の登記手続きについて、登記研究745号に詳しい解説が載っています(下記質疑応答参照)。

以上です。


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質疑応答

「相続分の譲渡による遺産分割」を登記原因とする所有権の移転の登記の可否(登研744号)

 ○要旨 共同相続による所有権の移転の登記がされている不動産について、相続人の1人からその相続分の譲渡(売買)を受けた第三者が遺産分割により当該不動産を取得した場合に、「相続分の譲渡による遺産分割」を登記原因として、当該第三者への所有権の移転の登記を申請することはできない。

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